ガッツの徒然日記

不定期で日々思ったことを徒然と書き綴ってます

読書のススメ5冊目 うつ病の入門書に最適 「軽症うつ病」

おはようございます、またはこんにちは、もしくはこんばんは。ガッツ(@guts_0773)です。

前回から少々間が空いてしまいましたが、皆様いかがお過ごしだったでしょうか?

私の方は年明けから転職活動が少々バタついておりまして、読書も一時中断しておりましたが、落ち着いたので再開した次第です。

では本日もよろしくお願いします。

わかりやすい、うつ病の入門書

というわけで、再開後の一発目は

著:笠原嘉 出版:講談社現代新書

「軽症うつ病」です。

 

軽症うつ病 (講談社現代新書) [ 笠原 嘉 ]

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感想(3件)

こちらは以前書評した「『うつ』は病気か甘えか。(村松太郎著・幻冬舎)」のなかで「うつ病の名著」として紹介されていた書籍です。

 

guts-create.hatenablog.com

 

たまたま入った中古書店で見かけたので「どれほどのものなのか」と思い購入しました。

実際読んでみるとわかりやすく、具体例も多く記されており、確かに「名著」と思わされる内容でした。

以下、詳しく述べていきます。

「軽症」とされているが実際は立派なうつ病に当てはまる

同著が刊行されたのが1996年の2月、今から20年以上も前の本であり、当時はまだ「うつ病」という病自体が現代ほどメジャーではなかった時代である。

そのような時代に著者が日々の診療の中で

「若い方にも軽度のうつ病が増えている」

という実感から書かれたのが同著である。

読んでみて感じたのが、当時は「軽症」と判断されていたが、現代では重度とまではいかないが立派に「うつ病」として診断できる分類のうつ病を、具体例を挙げわかりやすい言葉で綴っている点である。

特に著者が

「軽症うつ病の診断のために使用している18の質問」

は現代のうつ病の病状の特徴とほぼ一致しており、私自身の体験からも「軽症」ではなく、「うつ病」の診断項目として捉えていいと思う内容になっている。

「病」から「障害」への呼び換えの提言

次に読んでいて気になった点が、うつ病を「病」ではなく「障害」として捉えるように提言している点である。

これは当時の米国の最新の診断基準を元に提言されているのだが、今までいつくもうつ病の本は読んできたが「どうやって治すか」という本は数多かれど

「うつは病ではなく障害である」

と言っている書籍はこれが初めてだった。

これによって著者は

「うつは不治の病という誤解や偏見を無くしたい」

と主張している。

正直私も適応障害がなかなか良くならず、うつ病に悪化してしまった時に、治療を続けてもなかなかよくなる実感が湧かず、不安になったものである。

会社からも

「お前の精神が弱いからだ」

「そんなのはお前の甘えだ」

と、時代遅れなことも言われ

「本当に治るのか」

「再発率も高いというし、大丈夫だろうか」

と追い討ちをかけるような落ち込みをすることもあった。

だが、この言葉をはじめとして同著を読んでいると、早期に適切な治療を行えば対処できるものだと実感できた。

何よりも

この病気が人間の「人格」全体の病ではなく「気分」という一心的機能に限局した障害である(同著156ページより)

という言葉は、誰にでも起こりうるものであり、患者当人に非はないと手を差し伸べてくれているようで嬉しかった。

同著に見える先見の明

同著を読んでいてもう一つ気になったのが、職場などの環境との関係で起こる障害について触れている点である。

同著で取り上げられているのは

「人間が社会生活にうまく適応できなくなることが原因となって起こる障害」

である。

こう言われると直ぐにピンとくる方もいるかと思いますが、現代ならばこれは

適応障害

と診断される障害である。

今でこそ皇后雅子様や多くの著名人が発症したことで名が知られるようになったが、1996年当時、それこそうつ病以上に適応障害は知られていなかった障害である。

それをいち早く取り上げ、うつ病とは違った気分障害として記述し、対処方法まで記されている点は非常に先鋭的で先見の名があったといえる。

気分障害と言われたら真っ先に読んでほしい本

同著は20年以上前に書かれたとは思えないほど、的確にうつ病をはじめとした気分障害についてわかりやすく記されており、信頼性の高いものとなっている。

気分障害と診断されて落ち込む方や、偏見を受ける方もいらっしゃると思うが、そう言った方はぜひ同著を読んでほしい。決して悲観的になることや落ち込むことではないと、背中を押してくれると私は思っている。

また同僚や身近な人が気分障害と診断された、という方にも是非読んでほしい。同著にもあるが気分障害の治療と再発防止には周囲の理解が必要不可欠である。同著を読んで気分障害に対する偏見を取り去るとともに、治るものとして患者に理解を示し協力してほしい。

惜しいのはこのような名著が絶版となってしまっていることであるが、電子版で読むことができるので一人でも多くの人にこの本が読まれることを願います。

 

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なお貰っていない、講談社からは、一円も・・・・・・・。