当たり前の継続が一番難しい 「私の財産告白」
おはようございます、またはこんにちは、もしくはこんばんは。ガッツ(@guts_0773)です。
またも前回の投稿から間が空いてしまいましたが、皆様いかがお過ごしだったでしょうか?
私の方は色々とありまして、4月から新しい環境に行くことになりました。その辺りのことはまた後日お話ししたいと思います。
というわけで、久々の書評ブログです。
日本のバフェットと言われた人物の回顧録
本日ご紹介する書籍は「本多静六・著」「実業之日本社文庫・出版」
『私の財産告白』
です。
価格:523円 |
これは私の愛読漫画「インベスターZ(三田紀房・講談社)」に出てきた書籍で、一介の大学教授ながら巨万の富を気づいた『本多静六氏』が、どのような財産形成をしてきたかを記した書籍になります。
本多静六氏自体は今から100年近く前の時代を生きた人になりますので、過去の時代の内容かと思いきや、現代にも通じる部分が多くあったので今回取り上げることにしました。
平凡なことを当たり前にやっただけ
この本の前半部分、私の財産告白の部分に書かれていることは至って普通である。
インベスターZにも書かれていたが簡単にいうなら氏の財産形成法とは
・貯蓄
・投資
・利益確定からの再投資
の三つである。
(この辺りの部分は世界的な大投資家、ウォーレン・バフェットにも共通している)
正直どれも投資をやっている人間や、投資の勉強をしている人間からすれば、至極当たり前のことしか書かれていない。
しかし、当たり前のことだからこそ、簡単にできそうなことだからこそ、いざやってみようとするとできない。
そのあたりは投資に限らず様々な分野でみなさんも経験や、思い当たることがあるのではないでしょうか?
本多静六氏のスゴい点はこの「当たり前」のことを、「続ける」ことができた点に尽きる。
まさに
『継続は力なり』
を体現した人なのだ。
だからこそ生誕から150年以上が過ぎても評価され続けているのではないだろうかと、私は考える。
現代にも通じる本多式社会学
この本の前半部分の「私の財産告白」については多くの書籍等でも紹介されているのでこれ以上は紹介しない。
むしろ私が今回取り上げたいのは後半部分、
「私の体験社会学」
の部分である。
こちらの後半部は本多氏が生きてきたなかでの失敗や経験談を踏まえて、人生の進め方を述べているパートになる。
これもまた100年前の人間の体験談からくるものだから
「古い考えなのでは」
と思いきや、読んでみると内容はまさに温故知新、現代人が忘れてしまった社会の生き方が書かれている。
人付き合いの仕方から、商売哲学、仕事術まで、効率と成果に縛られた現代社会に刺さるような内容ばかりなのだ。
特に私の心に残ったのが
「代議士を志して」
の項である。
端的に内容を紹介するなら、
地位と名声のために自分の財産を投げ出す覚悟があるなら、代議士を目指しなさい
という内容である。
読んでいて笑ってしまった。
まさに世界一高い供託金を払わなければ議員に立候補すらできず、当選後も議会以外での活動に多額の資金が必要で、まさに「金持ち」と「名声を手に入れたい人間」しか成り手がいない日本の政治をそのままに表している。
しかも70年も前の書籍においてでである。
(もちろん議員の中には高い志を持って、それこそ私財を投げ打つ覚悟で活動してる方がいらっしゃることはお断りしておく)
日本の政治についてここまで的確に正論をぶつけている同著からは学ぶことが本当に多い。
一方で、政治家というものが100年近く前から変わっていないというのもまた問題である。
そんな調子だから国際社会の波から取り残されてしまうのだという声が上がるのも、ある意味納得である。
最後、話が逸れてしまったが、とにかく「温故知新」という言葉がふさわしい書籍が同著なのである。
努力と継続の大切さ
そして印象に残るのが同著の最後の言葉、本多静六氏の人生の結論である。
それは
人生即努力、努力即幸福
という言葉である。
これは
「当たり前のこと」
を
「継続し続け」
て成功を収めた本多静六氏ならではの言葉であろう。
もちろん努力したからといって全員が必ず成功するとは限らない。
だが何もしなければ、何も得られないということでもある。
某ボクシング漫画・はじめの一歩の一節にふさわしい言葉があったので引用させていただきますと
努力した人間が皆成報われるとは限らん。
しかし!成功した人間は皆すべからく努力しておる!!
(はじめの一歩 43巻より)
ということです。
努力と継続が報われにくくなっている現代社会ではありますが、今一度基本の大切さを教えてくれる、そんな書籍であると思います。
気になった方はぜひご自身の手にとってご一読されることをお勧めします。
価格:523円 |
なお貰っていない、本多一族からも、実業之新車文庫からも、一円も・・・・・・・。