人財とは新しい価値観を生み出せる人間のこと
皆様こんにちは。ガッツ(@guts_0773)です。
今日Twitterを見ていたらTLに気になるポスターの画像が流れてきて、内容があまりにアホすぎる内容だったので、今日はそのポスターについてお話ししたいと思います。
キャッチコピーに騙されるな
そのポスターというのがコレです。
これを見て皆さんどう思いますか?
私ははっきり言って『人財』度を見るのではなく『社畜』度を見るためのものだと感じました。
以下その理由です。
①「会社にとって」で始まっているのが怪しい
このポスターの項目を見ていて思うのが『会社から見た視点』で書いているようにしか見えない点です。
会社から見た視点、つまりは『会社にとって都合の良い社員』と言えます。
そう考えるともっとわかりやすい答えが浮かんできます。
回答欄に「会社にとって」の「人財」なんてごちゃごちゃ書いてますが、こんなのは綺麗事を並べただけに過ぎません。
ブラックな職場が大発生してる現代ではむしろ
『賃金が安く労働時間が長くても文句一つ言わず黙々と働く人間』
の方が求められていると思います。そうです、社畜です。
現にこの項目の中には『どうやったらもっと良くなるか』と言った、『改善』をしよう、向上させようとすることを考えるような項目はありません。
与えられたことをいかに早く正確に行うかのみに焦点が置かれている気がします。
これこそまさに『社畜』そのものではないでしょうか?
私のいた手取り14万円の会社でも大体重宝されていたのは社畜でした。
社畜じゃないやつは容赦無くこのポスターにある『人罪』にカテゴライズされ、叩かれ続けてきました。
社畜でも耐えられる人間は社畜度を評価され給料も上がり、まさに会社に都合の良い『社畜』と言う名の『人財』としてこのポスターの通りに評価されて行きました。
「何を持って人財というのか?」という基準がこのポスターは曖昧な気がしてなりません。
②どれだけ項目を並べようと結局評価するのは他人
このポスターの項目を見ていて思うのが、個人の努力義務について書いているのがほとんどですが、ここで注目したいのが
『何を持ってこれらを達成できたかということを判断する基準が曖昧』
であることだと思います。
ここに書いてあることを全部自分なりにやっているとしましょう。
自分としては
『私は人財である』
と胸を張って仕事しているとします。
でも最終的に『人財』なのか『人罪』なのか決めるのは誰かと言えば、上司であり会社です。
ではその上司や会社は何を持って人財か人罪かを判断するのか?
一つは仕事の結果です。
例え普段は「報・連・相」がしっかりできていても、たった一回話忘れただけでも
『「報・連・相」ができない』
と判断されてしまうこともあるでしょう。
いくら「常にどうしたらできるか?」考えて行動していたとしても、結果がついてこなければどれだけ努力しようが評価されません。
もう一つは会社や上司の主観です。
例え自分では大きな声で挨拶ができていたとしても、評価する側に
「声が小さい」
と評価されてしまえばそれまでです。
自分の頭で考えて行動したとしてもそれが会社にとって今求めていることでないならば、
『あいつは自分の頭で考えていない』
と判断されるかもしれません。
要はあなたがどれだけこのポスターに書いてあることに習って『人財』になろうと努力しようが、残念ながらそれを決めるのは『会社』であるということです。
会社が決めると言うことは、必然的に会社にとって都合の良い人間が『人財』とされ評価されて行きます。
会社のとって都合の良い人間が何なのかはすでに書いた通りです。
③精神論など抽象的な部分が多い
先にも書きましたが心構えだったり思考についてなど、評価のしにくい精神論的なものが多くを占めています。
そしてこの
『何かあったら精神論で片付けてしまう』
ことがブラック企業体質そのものです。
私が過去に勤めたブラック企業も何かにつけて
『気合が足りん』
『根性がぁ〜』
『気を引き締めろ』
などなど、気持ちが弱いからそんなんなんだって論争のオンパレードでした。
ですが結果が出ないからって本人のメンタルに全責任を負わせるのは、私は間違っていると思います。
性格であったり今まで育ってきた環境の影響であったり職場の人間関係であったりで仕事が合わないだけかもしれません。
今の部署ではダメでも他の部署に行ったら成績が上がったなんてことはよくある話です。
そう言った「何かにつけて精神論で最後は片付けてしまう」日本の悪しき風潮がこのポスターから感じ取れます。
本当の「人財」とは一体何なのか?
このポスターにある『人財』が『人財』でないとするなら、ではどう言った人間が『人財』と言えるのか?
私は『新しい価値観を生み出せる人間』であると思っています。
理由としては時代の変化に対応していく為と言うことからです。
現代は様々なことが目まぐるしいスピードで変化していっている時代です。
そんな状況下で未だ時代遅れの精神論に頼っている時代遅れな会社に、ただ言われるがままに仕事をするだけで果たしてこの先生き残っていけるのでしょうか?
おそらくは無理でしょう。
ではどうすればいいか。
時代に対応して企業も変わっていくことです。そのためには古い価値観を捨て、新しい価値観を取り入れ、時代に沿った変革をしていくことが求められていると思います。
そのためには今までの古い習慣にとらわれず、新しい時代に対応した価値観をもたらし、変革を起こせるような人間がこれから必要とされていくのではないでしょうか?
実際過去に私が働いていたケーズデンキではこう言うことがありました。
それまで700坪が最大面積だった店舗出店状況だったところに、新たに2000坪の大型店舗を出すことになりました。当時の社長が大型店の経験がなく、店舗運営を任せた人間がいました。
その方はその中でそれまでの常識にとらわれない新しいことを次々と実践し店舗を軌道に乗せ、後の大型店のノウハウを作り上げたといいます。
社長はその社員を大変評価し『彼こそが人財である』と著書*1の中で書かれています。
こう言った新しい価値観を創造できる人間こそが、激動の現代において求められている本当の『人財』なのではないでしょうか?
長文にお付き合いいただきましてありがとうございました。
*1:かんき出版 全ては社員のために「頑張らない経営」より