ガッツの徒然日記

不定期で日々思ったことを徒然と書き綴ってます

「フツウ」という呪縛からの解放 「学校へ行けなかった僕と9人の友だち」

おはようございます、もしくはこんにちは、またはこんばんは、ガッツ(@guts_0773)です。

本日取り上げる本は、先日書店に行ってタイトルが気になって、珍しくジャケ買いした本の紹介になります(基本私は本は店頭である程度中身を見てから買う派)。

で、読んでみて社会問題や現代人の悩みについても考えさせられる内容の本でしたので、今回取り上げることにしました。

それではよろしくお願いします。

不登校」から考える現代社

本日取り上げる書籍は、「棚園正一・著」「双葉社・出版」

『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』

です。

 

学校へ行けなかった僕と9人の友だち (アクションコミックス) [ 棚園正一 ]

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感想(1件)

小学校一年生から不登校だった著者が、漫画家として活動する現在に至るまでの実体験をありのままに綴ったコミックエッセイになります。

読んでて気になったある言葉

今回この本について書評しようと思ったのが、作中に繰り返し出てくるある言葉が気になったからでした。

それは

「フツウ」

という言葉です。

不登校児だった著者は作中で事あるごとに

「フツウの子供だったら〜」

「フツウこの位の年齢だったら〜」

と、とにかく世間一般の人の「フツウ」と、「フツウ」ではない自分を比べ、度々落ち込みます。

かく言う私自身も「フツウ」と言う言葉には、随分と悩まされてきた人間の一人です。

私個人の話で恐縮ですが、母親が典型的な昭和思考の型にはめるタイプの教員で、家でも教員のままだったので、常に

「教員の理想とするフツウの子供像」

に無理やり押し込められるように育ったので、この本は読んでいて共感することばかりでした。

ですが後にも書きますが、多様化の進む現代社会において、そういった一昔前の型にはめるような教育・思考や、良いか悪いかの二極論等は最早過去の悪しき慣習でしかありません。

普段からそう言った

「過去の悪しき習慣をなくしたい」

と思っていたからこそ、今回この本を手に取るに至ったとも言えます。

たくさんの出会いと体験から出た答え

著者である棚園氏は基本的には漫画を描きながら、様々な道を経験します。

何度も「フツウ」ではない自分の生き方に悩みます。

そんな著者を救ったのが様々な人との出会いと、そこから生まれる「縁」でした。

そして棚園氏は気付きます。

・「ちゃんとした大人」とか「フツウ」なんて自分で勝手に作ってしまっていただけだ

・周りに合わせようと焦る必要なんて全くない

・どんな道だって未来の自分だけの道へ必ず続いている

(本文より抜粋)

と。

棚園氏は長年自分を苦しめてきた「フツウ」から脱却できたのです。

私はこの「フツウ」からの脱却こそが、日本が新しい時代に移るために必要だと考えています。

当たり前を疑うことがスタート地点

ここでみなさん、一度考えてみてほしい。

普段から私たちが口にしている

「常識」

「普通」

「一般的」

「標準」

と言った言葉について。

普段から口にしているこの言葉って、一体

「いつ」

「誰が」

言い出したことなんでしょう?

誰も答えられないと思います。

私たちはいつ、誰が決めたかもわからないようなことを、さも昔から存在した絶対的基準のように認識し、使っているに過ぎないのです。

今回の本で言えば

「学校には行って当たり前」

と言うのはいつ、誰が決めたのでしょうか?

そして、その「当たり前」はなぜ存在するのでしょうか?

その問いの答えについては話し出すと長くなるので、今回は割愛します。

日本はまだまだ学歴社会ではありますが、それでも不登校から起業して成功した人や、高卒でも活躍している人、挫折から立ち直り再起に成功した人も増えてきています。

そう言った点から考えても一昔前の「当たり前」は、今では「当たり前」では無くなってきているのです。

ここまで見れば

『世の中に溢れる「当たり前」の多くは今では過去のものである』

ことはご承知いただけるかと思います。

多様化という時代の波に乗り遅れないために

近年

「人生の多様化」

が叫ばれていますが、まだまだ日本は実現には程遠いと言えます。

それを阻害しているのは先にも書いた、いつ・誰が作ったかもわからない

「当たり前」

「フツウ」

という過去の悪しき習慣が、その要因の一つであることは間違いなく言えると思います。

では、多様化を実現するにはどうすればいいか。

これは私の好きなドラゴン桜2(三田紀房講談社)の台詞からの引用ですが

常識という物差しをへし折ってゴミ箱に捨てることです!

あとは自分の思うがままに生きることです

ドラゴン桜2 9巻より)

ということに尽きると思います。

一昔前の「常識」が現代に通用しないのは先に考察した通りです。

そして棚園氏が行き着いた先にあった答えも同様です。

(「たくさんの出会いから出た答え」の項参照)

現代社会に息苦しさを感じている人にこそ読んでほしい本

ここまで長々と書いてきましたが、現代社会に

「生きづらさ」

を抱え込んでいる方には一度は読んでほしい本であるなあと、読み終わった時に思わされる本でした。

「こんなふうにうまくいく人の方が珍しい」

と言われる方もいるかと思いますが、少なくとも現代社会の生きづらさから脱却した一人の人間の例として、今度は自分がどう乗り越えるのかを考える時の一つの指標になるかと思います。

この本が不登校のみならず、生きづらさを感じている一人でも多くの人の手に取られ、一歩を踏み出す

「きっかけ」

「心の支え」

になってくれることを願って締めたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、貰っていない、棚園氏からも、双葉社からも、一円も・・・・・・・。