ガッツの徒然日記

不定期で日々思ったことを徒然と書き綴ってます

日本の製造業につて思う事

皆様こんにちは。ガッツ(@gute_0773)です。

前回まで『#手取り14万円のツイート』について補足というか書ききれなかった事を書いたわけですが、あんまり批判ばっかりしてると

「文句言うだけかよ。対案出せ!」

と、政権批判する左翼に向かってくるネトウヨみたいな事を言われそうなので(笑)、今回は製造業で働いてみて思った事及び改善点を書こうと思います。

*今回かなりの長文になってしまいますたがどうか最後までお付き合い下さい。

製造業のこんなとこがダメ

①人件費をケチるな

このブログを始めるきっかけとなった『#手取り14万円』そのものですが(笑)、とにかく給料が低すぎ。

正社員でも給料が低い、会社によっては大量の派遣とバイトで人件費を極限まで調整(ケチって)して会社の上層部の一部のみが儲かる。

そりゃ人は来なくなるし、来ても暫くすりゃ辞めていきますよ。

それでもって

「人が来ない。来てもすぐ辞める。後継者どうしよう・・・」

なんて言ってるんですから

「お前アホか!」

ってなりますよ。

人が欲しいんなら人にちゃんと投資しろって話です。

「金はかけたくない、でも良い人材はたくさん欲しい。」

なんて寝言は寝てから言えって話です。

②安売り競争に付き合うな

日本の製造業の傾向を見ていると

「いかに経費(特に人件費)を抑えて安く作り中国等の人件費が低い国の価格に対抗するか」

ということばかり考えているように思えます。

でもそれって敢えて自分が不利でかつ相手の得意な分野で戦うようなものですよね?

無理しないと勝てない分野にわざわざ戦いに行くようなものですよね?

何故そんな無駄で無理なことをわざわざするのでしょうか?

私の居た会社でも良く上司に

「中国みたいな価格の安い所に負けないためにも、余計な経費を減らし技術レベルを上げていこう。」

と良く言われてました。後半の部分には賛成ですが前半部分には反対です。

人件費の高い国が人件費の安い国と戦って勝てるわけがないんですから。

仮に勝てても相当無理をしてボロボロで長くは続かないでしょう。

無理しないとできない分野に力を注ぐなんて愚行は直ちにやめるべきです。

③時代遅れの精神論をいつまでも引きずるな

これは私の体験談でもあるんですが特に所謂『職人』と言われるような分野の製造業に多いと思うんですが、何かミスしたり注意される時等事あるごとに言われるのが

「気合入れろ」

「気を引き締めろ」

「次からは心を入れ替えて」

「次からは心機一転」

「集中力が足りん」

などなど、よくもまあ心理学やら何やら色々と発達した令和の時代にそんな時代遅れのゴミのような昭和の根性論・精神論使えるなぁって呆れてました。

『作業する上では多少は個人のそう言ったメンタル・気の持ちようが左右するから仕方ない。』

と思われるかもしれませんが、私が思うところ精神論の良くないところは

言った本人がそれで問題解決したと勘違いしやすい

と言う点です。

どう言う事かと言うと、

「気合い入れろ」と言えば言った本人はそれで問題解決の方法を提示したと思うでしょうが、根本的な『なぜできないのか?』といこと(=原因)は何一つ解決してません。

言った本人はそう思ってないかもしれませんが私から言わせれば精神論とは

根本的な部分の解決から逃げるための体のいい口実

でしかないと言えます。

じゃあ何故精神論を捨てられないのか。

理由としては

①精神論以外のことをそもそも知らない

②自分も精神論で成功したから他人にも通用する筈という成功体験の押し付け

③精神論以外の方法はある程度の知識が必要で手間が掛かるから

④今更新しい方法を入れるのは面倒くさいから

というのが考えられます。

*この『メンタル』に関しては話し出すと止まらないのでまた別の機会に時間をかけて書きたいと思います

 

私が製造業で働いていて特に気になったのが上記3点です。

以下が私からの改善点の提案になります

日本の製造業を絶やさないために

①「人」にもっとお金と時間をかけよう

前回も書きましたが製造業のみならず会社組織においてもっとも大切なものは他なる

「人(人財)」

です。

現場の社員がいるからこそ会社は売り上げを得て利益を出すことができているのです。

であるならばその現場の社員が気持ちよく働けるようにもっとお金と時間(教育)をかけるべきです。

具体的な事として

⑴給料手取り最低18万円の保証

はっきり言って家賃・光熱費・通信費・食費等々まともな生活を送ろうと思ったらこの位はないとやっていけません。まずは安心して暮らせるだけの給料を保証する事。

それができて初めて仕事にも100%集中できると思います。

『その財源どうすんだよ?』

というと、一つには戦後最大にまで膨れ上がった内部留保を社員に吐き出す事です。

社員という会社にとっての一番の財産にお金を使う。至極当たり前だと思います。

もう一つは役員の給料を下げる事です。

過去のダメだなぁと思った会社での話ですが、「経営がヤバイ」「金がない」とか言ってるくせして社長とか役員は高級車や良いとこのマンションとかに住んでんです。現場の社員に痛みを強いるんならお前らもって話です。

⑵配置転換など社員が実力を発揮でき成長できるように育成に力を入れる

職人の世界なんかではありがちなのが

「技術を覚えるのには時間が掛かるから同じ部署で長期間修行させる」

という昔の徒弟制度的考え方。

100%間違いではないですが工場みたいなところだと話が違ってきます。

例えば所属先の部署で必要なことを覚えた場合、それ以上の成長はもう望めません。ただただ半ば惰性で同じ毎日の繰り返し。極端な話10年居てもたった一つのことしかできない人間になってしまいます。会社としては良いかもしれませんが(利益という面で)、社員個人としてはどうでしょうか。もうこれ以上成長できないとなれば仕事へのモチベーションが下がる人間も出てくるでしょう。

別の見方としてその人本人しかできない仕事を作るのもリスクになります。

これは私の体験談ですが一人で回してる部署の人間がインフルエンザで1週間抜けただけで作業計画が大きく変更になり現場が混乱しました。そして休んだ社員も復帰したら溜まった作業の処理に追われるという日々をしばらく送ってました。

この時その人の代わりに作業ができる人が一人でもいれば状況はここまで酷くはなっていなかったでしょう。

また一方で配属先が合わなかった社員はどうでしょうか。どうやっても作業がうまくできず、叱責の毎日を送ってしまっては折角入社したのに自己嫌悪の念で辞めてしまいかねません。辞めないにしても精神的不調に陥る可能性もあるでしょう。どちらにしろ社員が抜けるというのは会社にとっては損失です。

「お前の代わりなんていくらでも居るわ」なんていうのは昔の話です。少子高齢化・人材不足が叫ばれている昨今では次にいつ社員の補充ができるかなんていう保証はありません。興味を持って入社してきた社員を如何にして活かして、会社に留まってもらうかということを考える時期に来ているのではないでしょうか。

そのためにも状況を見ての積極的な人事異動というのも、工場という働き方にはこれからは求められて行くと思います。

⑶経営方針を見直そう

株式を公開している会社はともかく、日本の会社の99%を占めていると言われている中小企業は

『儲けることから生き残ることに経営をシフトせよ』

ということを提案したい。

株式を公開している会社であれば配当等もあるので年毎の収益には気を使わないといけません。ですが多くの中小企業は株式会社の形態をとっていても株式は親族や役員が所有しているというのがほとんどです。

そのような会社ならば毎年増収増益を目指すのではなく、10年後20年後100年後に会社を存続させ続けることを目標とすべきです。身内しか株主がいない状況で配当のことを考えるのはナンセンスです。無論赤字というのは論外ですが金銭という利益に固執するのではなく、会社の存続のための人財という利益にこそこだわるべきだと思います。

現場で働く社員がいなくなった時が会社という組織の「死』なんですから。

②安売り合戦からは身を引き高価格帯で勝負する

安売り合戦に付き合っていては企業も社員も苦しい状況に立たされるばかりです。

人件費が下げれないのであれば人件費を下げないで戦うしかありません。

そうなった場合低価格帯での戦いには固執せず、高価格帯の商品や職人の分野であれば職人をブランド化して信用を売っていくことで高くても売れる商品を想像するべきと思います。

楽器業界で言えばマスタービルダー(商品名にBY○○と製作者の名前が入るもの)のように

「この人が作りました。」

というように商品そのもの以上に作った人間で信頼を得て売っていくいわゆる『人間売り』という手法です。

とにかく

「高くても売れる」

「高くてもあの人が作ったなら買いたい」

「高くても貴方から買いたい」

とい方法、人財を創造するべきです。

③時代遅れの精神論は捨てて最新の心理学等を取り入れる

昭和の高度経済成長期ならともかく、その頃から時も経ち価値観も多用してる令和の現代に、もはや根性論を代表とする精神論は不要です。手間も時間も掛かるでしょうが思い切って捨て去り、最新の心理学やカウンセリング等の技術を取り入れるべきです。

特に人財確保に点においてもその点は重要です。

製造業の後継者不足が叫ばれ続けていますが楽器業界も例外ではありません。楽器業界は専門学校を出ないと入れないのですが、業界志望者も年々減ってきていて専門学校も毎年のように定員割れを起こし、縮小・統廃合が起こっている状況です。

補充をしたくても補充する人がいない状況なのです。

となれば「入ってきた希少な人財を如何にして辞めさせないようにするか」ということに重点を置かなければなりません。

正直今の子は昔ほど打たれ強くありません。何故ならば育ってきた環境が違うからです。昔は怒られて育ってきた人の方が多かったと思いますが、今は逆にあまり怒られず褒められることで育ってきた人の方が多いと思います。どっちの育て方がいいのかという議論はここではしませんが、教育方針も年々変化しているのに会社は昔のままで入ってきた新入社員に

「今までと180度違う生き方をしろ。お前が会社に合わせろ。」

と言われてできると思いますか?

それができる人ならいいですがほとんどの子はできないでしょう(ちなみに楽器業界時代の私の後輩は9割が2年以内にいなくなりました)。

よく「時代の波に乗れなくて潰れた」なんて話が出ますが、楽器業界いや製造業ももうその手前まで来ているでしょう。ならばとるべき方法は一つです。

新しい時代の子たちが活躍できるように企業が変わるしかあるません。

精神論は捨て心理学を学んだりカウンセリングを取り入れたり、最近の子の生き方に合わせた指導・対応を取り入れて貴重な人材を如何にして辞めさせずに働いてもらうかという点に力を入れることです。

結局企業が今やらなければいけないこととは?

突き詰めれば

社員を大事にし、新しい時代に合わせて企業も変化して行くこと

これに尽きると思います。

ここまで読んでいただいた方で

『お前の言ってる事やってたら会社が潰れるわ』

と思う方もいると思います。

ですがここに挙げた事全てではないですが、実際に社員を大切にすることを理念の一つに掲げて実行し毎年増収を果たしているとある上場企業があります。

私もかつてその企業に在籍していました。私が今回挙げた提言はその企業の理念の影響を多大に受けていると言えます。

次回からはその「とある企業」についてお話ししたいと思います。

 

長文にお付き合いいただきましてありがとうございました。