ガッツの徒然日記

不定期で日々思ったことを徒然と書き綴ってます

読書のススメ 3冊目 銀行漫画から考える、住宅購入とローンについて

みなさんおはようございます、こんにちは、またはこんばんは。ガッツ(guts_0773)です。

昨日ニュースを見ていましたら


「住宅ローン減税控除縮小検討へ。家は今買うべきなのか?」

という見出しのニュースを見つけまして見ていたのですが、見ていて学生時代に受けた金融の授業で使っていた漫画の一コマを思い出したので、今日はその漫画のご紹介です。

 

講義を担当していた教授は元大手銀行の支店長を務めた方で

「この漫画は銀行の仕事と理想をリアルに描けている」

と言っていて、私も読んでお金の勉強になった本でもありますので共有したいと思います。

(ここまで書いててもうお分かりかと思いますが「半沢直樹」ではございません。)

新人信金マンの成長から学ぶお金と銀行業務の役割

今日ご紹介するのは、平井りゅうじ氏原作・北見けんいち氏作画の

「まいど!南大家信用金庫」

という漫画の第6巻です。

 

 

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主人公の新人信金マンの中井君の日々の銀行業務を通じて、「お金」のことや「銀行の仕事」について紹介する漫画なのですが、第6巻では住宅ローンを考えているお客さんが登場し、住宅を買うときの注意点が描かれています。

大事なのはいくらなら返せるか

この巻で中井君は住宅購入を考えているお客さんの借入計画を作成するのですが、年収に占める年間の返済比率は22%で、勤め先の信金の基準はクリアしているのですが、支店長さんに

「もう一度返済可能額を計算しなおしてみなさい」

とやり直しを命じられます。

そこで改めて税金や保険料、生活費や教育費等々を引いていくと、生活を切り詰めてもローンの支払い金額がギリギリで、下手すると生活が困窮する可能性もあることがわかり、融資はお預けになってしまいました。

お客さんは何がなんでも持ち家を買いたいので他行でローンを組もうとしますが、漫画らしい展開で他行でローンを組もうとしていた矢先、勤め先の会社が不況による給料カットで年収が下がることになり、お客さんも住宅購入を諦めることになるという結末を迎えます。

 

このときのエピソードに出てくる名言が見出しにも使わせていただいた

大事なのはいくら貸せるかちゃう!!毎月いくらやったら返せるかや!

平井りゅうじ氏原作・北見けんいち氏作画 まいど!南大家信用金庫 第6巻より)

という言葉です。

たまにニュースのドキュメントコーナーなんかでもよく見ますが

「住宅を買ってローンが支払えずに家族関係が破綻し家を売ることになった」

なんていう話の原因の一つにはこの言葉が関係しているのではと思っています。

私が思う日本人の住宅に対する意識の不思議

この漫画から学んだことに限ったことではないのですが、私がいつも思うのは

日本人はなぜこうも一軒家を持つことにこだわるのか?

という点です。

家電屋時代にお客さんに

「金がないから安うせい。もっと値切れ。」

「この商品に買う価値があるのか?値段に見合うだけの価値がるのかしっかり説明してほしい」

と耳にタコができるぐらい言われましたが、そんな方々もどういうわけか住宅を買うときはなんの疑問も持たず

「買う」

一択なのが不思議でなりません。

なぜウン千万もする人生で最も大きな買い物を、慎重に吟味することもなく決めてしまうのでしょうか?

同僚の気になる言葉

以前の勤め先の同僚が結婚すると同時に建売の家を購入しました。

理由が

「調べたら賃貸に住んで家賃を払うのも、ローンを返すのも金額が大して変わらなかった。賃料払うのもローンを払うのも結局は同じ金額の金が出ていくなら、家を買ったほうが特。財産にもなるし。」

とのこと。

ですがここでさっきの

「いくらなら返せるか」

という言葉を思い出してもう一度考えてみてほしい。

賃貸ならかかってくる費用は共益費や駐車場代を含めた家賃と任意で入る火災保険くらいですが、家を買う場合はそんな単純なことでは済みません。

土地建物を購入すれば固定資産税がかかってきますし、不慮の事故等に備えて火災保険等にも入る人もいるでしょう。

またメンテナンスも定期的にしていかなければならず、外壁・屋根は10年に一回、20年〜30年くらいしたらリフォームも必要になってきます。

賃貸であればその辺りの費用は大家さんと管理会社持ちですが、持ち家なら全部自腹です。

また漫画の中のお客さんのように給料が減らされてしまった場合、賃貸なら賃料の安いところに引っ越したりすれば良いですが、持ち家は何があろうと一度ローンを組むと容赦無く毎月一定額を持っていかれます。

もし払えないなんてなったら最悪の最悪は財産差押の競売行きです。

また金額もバブル期でも無いので、間違いなく買った値段よりもずっと低い金額になります。

以上の点から元同僚の考えは現実離れしていると言えます。

「今なら」ではなく「これから」のことを含めて決める

漫画の中のお客さんとの会話の中でも出てくるんですが

「例え今は払えたとしても将来的に払えなくなるような不安があるなら無理して買うべきでは無い」

というのがこの漫画の存在を教えてくれた教授の言葉であり、私の意見でもあります。

さっきの同僚の話でいくなら、持ち家を買うことに対して発生する費用に加えて、将来的な不安要素も考えなければなりません。

 

先ず考えなければいけないのが、経済的不安についてです。

 

漫画に出てきたお客さんのようにいつ景気が悪くなって給料が減らされるか、現代社会は全く予想がつきません。

いつ給料が減らされるのかという点に加え、社会情勢がどうなるかという点もあります。

特に日本は年々社会保障や消費税をはじめとした各種税金は上がり、加えて世界経済の停滞による物価上昇も止まらない状況です。

一方で日本経済はこの30年ずっと停滞し、賃金も横ばいのままです。追い討ちをかけるように多くの企業がコストカットのために正社員を減らし、派遣などの非正規労働者が増える一方でもあります。

 

そしてもう一つ考えなければいけないのが養育費、子供についてです。

 

「子供には子供の望む通りに人生を歩んでほしい」

というのが親心かと思いますが、残念ながら子供に対する費用も年々厳しい状況にあるのが今の日本です。

子供に対する国からの手当は年々減り続け、一方で学費は上がり日用品や制服、教科書といった備品にかかる費用は年々増していく。

このような状況で無理してでも家を買うことが果たしてプラスになるのでしょうか?

 

賃金は増えない、子供にかかる費用は年々上がる、税金などの必ず取られる費用も年々増えていく

 

という現代社会では

 

例え苦しくなって売却しても残っている限り返済の義務を負わされる住宅ローンは組むべきでない

 

無理をしてまで家を持つことにこだわらない

 

というのがよりベターな考え方では無いでしょうか?

そもそも住宅ローンが既に時代に合ってない

ここまでみてきてわかることは住宅ローンというのは

 

右肩上がりの給料・経済成長と終身雇用がセットになって初めて機能するもの

 

ということです。

その前提条件が崩壊した今、簡単に手を出して良いものではないと私は考えます。

貸す側の視点からもみて判断することがこれからは必要

ここまでの話をみてきてこの漫画に教えられるのは

 

お金を貸す側の視点からもみて家を買うかどうか判断しよう

 

ということです。

貸す側としては絶対に貸したお金は全額回収したいものです。

逆に言えば

 

自分は絶対に全額返せるだけの状況に今もこの先もあるのか?

 

ということを考えてほしいということをこの漫画から学ぶことができます。

 

今家を買おうとしている人は、メディアのいうことを鵜呑みにするのではなく、ぜひ一度立ち止まって自分の置かれている状況と将来の展望について考えた上で判断してほしいと思います。

気になった方はぜひご一読ください。

それではまた。

 

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なお、もらっていない、平井氏からも、北見氏からも、小学館からも、一円も・・・・・・・。